[新たなる、見慣れぬ紅い男を視界に収めながら、娘は治療を受け続けていた。ライヒアルトの的確な処置を覗き込むように、じと見詰めて。足首の傷も見せろと言われ娘はこくりと頷いて見せた。行き成り触れないのなら特に茶々を入れる事は無く―――]
ン、傷は深く無さそうかい…?
全貌が良く見えないから所々見落としているかも…
[すべての処置が終わると、有難うと伝え娘は淡く微笑む。重たい物を運ぶなと言われて少々困った貌をするが]
…其れはすこし、困ったかもしれない
[それだけ答えると、再び入ってきた者の足音を聞き、其方に眼差しを向けた。―――団長の姿を見止め、娘はまあるく眸を見開き。]