阿呆か。私を誰だと思っている。
あの程度で死ぬわけがなかろう。
[誰かなんて名乗ってもいないのに分かるわけがないのだが。
言葉の通り、外傷は既に殆ど癒えているようだ。
ちなみに倒れていた間は敗北感とかプライドとかがせめぎあって色々大変だったんだとか]
そうだな。
『今回は』譲ってやらなくもない。
[そこまで言って、不敵な笑みを口許に戻した]
だが――敢えて言わせてもらおうか。
――覚えておくがいい。
[悪役の捨て台詞のような言葉を、しかし余裕めいた口調で突き付け。
先程投げ付けたクッションを消して、*踵を返した*]