[羽衣を翅に転じて][されど、舞うでもなく浮かんだまま、その眼は全てを見晴かすように]やれ、退屈よの。[呟いて、扇ひらり][幾つもの真白の蝶 呼び出して放つ][目の届かぬ場へ 己が目の代わりに]…定め在る者であれば、此れが只の蝶でないことには気付くであろうが、さて、どうじゃろうかの。[ひらり、ふわり][地に下りれば翅は羽衣に][大きな草葉の上、座り込んで]*