[顔を上げた榛名は微笑を浮かべていて、邪魔ではなさそうだと判断すれば近付く]
ああ、この場所は確かに祭の準備の様子がよく見えますね。
新作は此処の祭か…たった今見学していきたくなりました。
俺は祭を見に来たというよりは、人探しを…。
人というか、古民家に上げてくれそうな人っていう広い範囲の人探しなんですけど。
さっき聞いたのは…櫻木家と、葛木家、かな。
[その名前に榛名が瞬いたのを見て、拙いことを言ったかと、頬を掻く。けれど、次の言葉に眼を輝かせ]
え…!良いんですか、そんな…。
ご迷惑じゃなければ…。
[言葉とは裏腹に、期待の滲み出るような声音は、普段よりも高い。
断られなければ、手を掴んでぶんぶんと振りそうな*勢い*]