[それから改めて、ふたりの男へと視線を向ければ、サーシャも、そしてジラントももう動く様子は見えず。
アレーナが告げた言葉に、うんと小さく頷いた。]
キリルさんも、何とか殺して、喰らってこれたんだね。
[青白くこけた顔の「彼女」は、けれどただ病弱そうなだけの娘では無かった、と。
人の死を前にしても動じて見えなかった「彼女」には、『鬼』に抗うだけの力もあったのだろうと、メーフィエは思う。
それはこの『ゲーム』の所為だったのか、それともそれが「彼女」自身だったのか。
――それ以上の秘密もまた、抱えていたのか。
何も判らないまま、メーフィエは「キリル」の死を理解した。]