…その。
物も見ない内から頼むのは…あまり、良い事とは思えない。
あぁ、いや、その。
仕事を、請けたくないわけじゃないんだ。
ただ…こいつは、あんたの商売道具か何か、だろう?
あんたが実際に見て、気に入ったもんを入れないと、こいつに悪いと思うんだ。
ここのおっさ…いや。
フーゴーが俺の細工品をいくつか持ってるから、それを見て、気に入ったらまた声をかけてくれ。
俺は大体夜はここに来るから、急ぎでなければその時に。
早く欲しいなら、海辺にあるアルダー工房ってとこに居るから、悪いがそこまで足を運んで欲しい。
[そういうと、ナイフと紙幣をそのままユリアンに返し。
悪いな、と微かに申し訳ない表情を見せて。]