こんにちは。あれ、スープあるんだ?[降りて来るなり食事に目が行くのは性質なのだろう。様子はすっかり元通りのように見えたか。丁度珈琲ポットを持って現れたノーラにも頭を下げ、アーベルのスープを覗き込んだ。]うっわ、にんじんばっかり。おいしそうじゃん。[勿論彼がにんじん嫌いなことは知っていて、からかうように笑う。しかしオレンジの陰に隠れた自らの敵――グリンピースの存在に少女はまだ気付いていなかった。]