くっ!
[猫の笑みを見せた女性が描くは、視線を撹乱させるジグザグ軌道。
思わず見開き掛けた右眼を再び流血が塞ぐ、その感覚が集中の邪魔をする。
しかしそれでも、左眼は金色の光を捉えて]
そこっすか!
[反射神経のみで持って、左腕の盾を大きく振るう。
手応えはあった、しかし随分と軽い。
それがとっくに彼女の手を離れた短剣だと、気付いた時には既に遅く――]
ぐっ……!
[右の肩に走る激痛。横目に見れば、金色の刃が、深々と肩を抉っていた]
やられた、っす……。
[ぺたん。少女は力無く膝を着いた]