─広間・暖炉傍─
[フォルカーに訊ねたその直後。一人の自衛団員が広間へとやって来て、戸口までゲルダを呼び出した。聞けば、ゲルダは事件当時のアリバイがあるようで、呼び出しは間違いだったのだと言う]
ゲルダさん、違うんだ…。
[少しだけ、安堵の息が零れた。自分で無くとも、一人の疑いが晴れたのは喜ばしいこと。俄かに沸く空気を、イレーネは輪の外から眺めていた。ゲルダはそれぞれへの挨拶の後、荷物を持って集会場を出て行く]
───こうやって、一人ずつ疑いが晴れていけば良いのに。
[けれど、自分自身アリバイが無いのが分かっているため、大きな期待は含めて*いなかった*]