>>298[闇の中でゆらゆらと揺れる。封じてしまった、封じられてしまった遠い日のように] おなか、すいたよ。 でも、おにぃちゃんがいたいの、やだよ[幼い少女は兄の背の上でそう言った。首にぎゅっとしがみ付いて。涙混じりの声で]―隔離エリア・地底湖―[意識はまだ戻らない。ただ青年の首に縋るように、少しだけ腕に力が入った]