[あらかた食器を片付けて、ハサミを片手に玄関へ。ささやかに咲く花をいくつか摘んで、二階へと向かう。ちゃんとした作法は知らないけれど、白い亡骸を見つけるたびに花を手向けて祈りを捧げる。]…ぇ!?[開けたドアの向こう、無惨に割られた数人の風化した亡骸。その一つだけがなんだか違う雰囲気を帯びていて。]…なん、で。[視界がぼやけた。]なんで?そんな…[指からこぼれ落ちる花。茫然とただ立ち尽くす。痛いほど伝わるのは絶望。床に転がっている首輪の装置は、引き千切られたようにみえた。]