ああ、そうだ。むかしむかしの話じゃない。
ここに集った者たちの、そしてこの婆が巫女として『狼狩り』に加わるのも、これからはじまる伝え語りさ。
たまには年寄りの言う事も信じてみるもんさね。
それはむかしむかしの人たちが伝えた話。だけど今でも、人を守り狼たちを狩るために、たった一つの冴えたやり方なんだよ。
むかしむかし、もしあのときに婆が巫女だったなら……いまごろ、どんなお話が伝わっていたのだろうね。
ミッキー坊や、あんたが狼か、不幸な『成り損ない』なのかはしらないよ。
だけどアンタも、あんたの仲間たちも、魂の全てをぶつけておいで。
『狩り』とは人と狼の戦であり、鎮めの儀式でもあるのさ。
ここにいる者もいない者も、さあ、覚悟を決めな。
生き残って未来の子供たちに、このお話しを残しておやり。