>>305
期待するなら、相手選びなってんだ。
[絡みつくよな甘い声に、僅かに眉を寄せ。
頬を染める紅の線を、軽く、拭った。
じゃき、と音を立てて刀を構えなおしつつ、距離を測り]
(……遠近双方……ある意味、オールレンジ、か。
ちっ、メンドくせぇなぁ……)
[そんなぼやきを心の内に落としつつ、ゆっくりと刃を上段に構え]
……氷牙!
[鋭い声と共に、振り下ろす。
大気を引き裂く唸りに応じるよに生み出されるのは氷の牙。
大気裂いて飛ぶそれに一歩後れるよに走り出す。
狙うのは、牙を往なした後に生じるであろう、隙。
それを突き、斬り上げの一閃を叩き込もうと思い定めつつ]