あら。私、どんな風に見えているのかしら。[小さな笑み声を零すまま、本はひたりと動きを止める。開かれた頁はとある妖精の項]――ウィンディ。[『声』に応じて本から溢れた風は、少女の身体を捲いて舞い上がる。光球から逃れ、黒衣の頭上で逆さまに舞うままに]貴方のステップを、あの方に。[ついで溢れた風は刃と成って、真直ぐに黒衣へ二筋が奔った]