―医務室―[老人にエーリッヒやカルメンが話しかけるさまを見ていた。カルメンの謝罪には気にするな、と首を振りつつ……。小さな寝息をたてる少女の顔も見る。きっとその名をエーリッヒに問うた。ベアトリーチェという名前に語感の良さをその後舌で転がしつつ、薬品庫のほうを見る。]ああ、さっき途中だった。[ハインリヒと、ブリジットの声が聞こえただろうか。 だけど、今は、今がいつということより、この老人から情報を得るほうがいいと判断する。]