─ 宿・二階角部屋 ─
[『どれもこれも、可能性考えるとキリがねぇな。』
友人の胸中は知らず、視線を戻して手を動かす。
彼女に関してどう出るかは、こちらも内にしまっておいた。
少なくとも全面的に信用している素振りはない。
オトフリートが窓の外をみながら溜息つく様を横目で見つつ。
『殺す事自体は問題ない、が。』
と、傍らに置いた獲物を見ながら仕草した。
今更殺す相手が一人二人増えても、良心はさほど痛まない。とはいえ自分にも殺したくない相手はいるから、それ以外から選ぶ事になるわけだが。
どうするよ、という視線を友人に向けた。
溜息を見る限り、あまり答えは期待してはいなかったが。]