― 廊下 ―
[広間を出ればポケットから携帯端末を取り出した。
割り振られた役職は理解していた]
仮想と現実は違う。
ゲームだからと割り切れない。
セオリー通りにも、いかない。
[役職をもつものが名乗り出てはいない状況。
システムメッセージが示すように日付が変わっているなら
占い師の役割をもつものが誰かを占い結果を知るだろう。
それが誰か知りたいと思えど、名乗り出るよう促す事は出来ない]
誰を――…
[守ればいいんだろう。
ポケットの中に仕舞われたままの銀色を指先でなぞれば
決めかねる心が焦りのようなものを覚え始める]