[己にとってはごく当たり前の場所。
けれどその自宅は、誰かと過ごすのは随分と久し振りな気がした]
…まあ。
こんな形で、だとは思わなかったけど。
[兄が茶を淹れるのを待つ間、そんな呟きを洩らした。
置かれた状況を思えば、久々のこの時間も素直には喜べない。
やがて香草茶の香りと共に、話は始まる。
最初の、上層部の決定にはやはり眉を寄せた。
もっと穏便にできないものか、との思いが過ぎるも、やむなきことと知ればそれ以上口出しはできず。
途中でミリィの名が出れば少し首を傾げるが、信頼云々には納得できた。
彼女がこういう時、嘘を吐かないことは己も知っている事だから]