―二階・客間―[風呂は誰かが使っている可能性があったので、桶に湯を借り身体を拭いた。身なりが整うと、朝食を求めに館内を歩く。使用人に声をかけると、広間でどうぞと言われたので、そのまま広間へと向かう。丁度、朝食が用意されていた頃だろうか。中には使用人と、セシリアの姿があり。]おはよう。早いね。[そうにこりと笑み声をかけた。ふと、手にしていたものに目がいく。]ああそれは……あったんだね、ウールヴヘジンの左手。[少し懐かしそうな目で、簡素な装丁の本を見た。]