─宿屋・酒場─
[嘴を撫でられるとヴェルトは、ぐるる、と気持ち良さそうに喉奥で鳴く。
フーゴーはカウンターの中でナッツを口に放り込んで居たのだが、ライヒアルトとウェンデルに立て続けに訊ねられると、軽く眉根を寄せた。見られて居たか、と言う程度の反応だったのだが、周りにはどのように見えたか]
……ああ、ちと用事があってな。
[理由としてそれだけを答える。少しの間考え込むように間が空く。どこまでを話すべきか、と]
………結社から、手紙が来てたっつってただろ。
その手紙を見せてもらいに行った。
ただのそれだけさ。
[告げたのは向かった目的のみ。結局どうだったかの結果までは口にしなかった]