― 空間のひとつ ―
[掛けた声に身体ごとが此方に向けられる>>329
少しばかりの期待はあっさりと打ち砕かれたけれど、
それでも其処から見えるものはある]
おや。……ふむ、私だけではないとすれば、
此処はそのような空間なのかもしれませんね。
[顎先に軽く指を添え、考える仕草で空間を仰ぐ。
経れば経る程に感じる違和は空間そのものから。
それに此処には他の気配が無さ過ぎる]
偶然とは思い難い。
何らかの意図が有って此処に喚ばれたとも考えられるでしょうか。
喚ばれたとするのなら、何かを満たせば解放されそうなものですが、残念ながら私には思い当たりませんでした。
一欠けでも、ご存知ありませんか?
[返せたのは手掛かりではなくただの推察に終わる。
再びの問いに笑みが添うことは無かった*]