─アーヴァインの部屋─[やって来た主の部屋には、未だ紅のにおいが残るか。主の亡骸は、墓守の手によりベッドの上。それに対して一礼した後、一度、目を閉じる][ひとつ、息を吐き。高く差し上げられる、右の手。シャラ、と鳴る銀色の輪。翻る、紅の紗。揺れる、金の髪。伴奏はない。在るのは、銀色の輪が触れ合う音のみ。静謐の中、舞手はゆるりと舞う。それは、鎮魂の舞。流浪の舞手に、館の主が求めたもの。その由縁は、舞手自身には知る由もないのだが**]