[ フィグネリアの首元に口付け、
熱い吐息と共に舐め上げた。
酷く、甘い味がする。]
(……、)
[ マグダラの視線を感じる。
後ろにちらと意識を向けてから。
フィグネリアの緋色の抱擁を受けた。]
フィグネリア、
君のことは忘れない。
[ そっと、ヴィクトールもまたフィグネリアの背中に手を回した。]
何か最後に話したいことは?
[ フィグネリアの首元から流れる血を半ば無意識に舐めているのは、そうでもしなければ即座に襲いかかってしまう衝動を宥めるためのもの。
それでも微かに抑制が効かないのか、
何時の間にか伸びた犬歯が時折青白い肌を押した。]