……どうしろと。[珍しく、心底困ったような声色と表情になった。服を掴まれたなら脱げば良いだけだったが、手首となると切り離すわけにも行かない。更に運の悪いことに、開いていた扉はゆっくりと閉じる方向に動いていた。いずれ、扉は完全に閉まり、廊下を通った者もこの状況に気付くことは出来なくなるだろう] …………………………………。[沈黙の時間だけが過ぎて行く。しばらく考えていたがどうにもならず、大きく、諦めたような息を吐いた]