―アーヴァインの部屋―
[未だ鉄の匂いも残る部屋。
口元を引き締めて努めて嫌悪は抱かない様にする。
紅は残れどシーツに包まれ無残な傷は隠されて居たので傍まで行く事も出来た]
失礼を致して居りました。
エリザベス=ウィロビーの娘ヘンリエッタと申します。
母と同じくお世話に為って。
[舞が始まる前に亡骸へ向けて呟く様な挨拶をした。
生きていれば如何な反応が返ったのかを知る事は出来ない。
深く頭を下げると離れた壁際へと下がり沈黙と共に舞が捧げられるのを見詰めていた。
以前に見せて貰った時よりも哀しさが胸に迫る美しい舞。
館主と舞姫の間に交わされた約束も知る由は無いがただ深く胸を打たれて手を組み沈黙を*保った*]