[――ばさり、 広がる色彩は、冴えた月を思わせる淡い銀色。 一対目は、やや上向きではあれど、正常な翼。 二対目は、翼とはいえず、まるで尾のように、 連なる羽根が垂れ下がっているだけ。 生え損ないも、幾つもあった。 それは、羽根にも骨にも肉にも見え、 背の辺りは奇妙に盛り上がっている]