[だから、ここの人たちの反応は新鮮だった。歌を歌うことがただの仕事になりかけていたから]
…あんな風に喜んでくれる人も居るのね。
私の、歌、を……
[そこに浮かぶのは偽りでは無い笑み。その笑みがふと曇る…昨夜の自衛団長の話を思い出して]
何かの間違いなら良いのに…誰にも居なくなってほしくないわ、皆それぞれに親しい人が居る…誰が欠けても悲しむ人が居る…
私には……
[小さな溜息。そして思う]
[自分が欠けても良いから、どうか誰も悲しまないように、と]
…下に行きましょうか。
何か、食べないと。
[そう呟いて部屋を出る。途端に聞こえるのは只ならぬざわめき]
…何があったの?