在るべきところに往かねば、摂理が乱れる。
[握り込む布に重い感覚。
くん、と引いて、反対側の先を掴まれるのは避ける]
乱れた摂理は道を失い、往き先を失う。
何れ辿り着くのは消滅の限り。
[ばさり、眼前に広がる闇の布。翳す左手に解けて消え去り。
けれど失われていた視界に、滑り込むことは許して居て]
――ッ!
[咄嗟に地を蹴る。僅かばかり掠めた脚。
後方へとバク転の要領で無理矢理体勢を保とうと]
…其れを、赦す訳にはいかない。
[直し切れない体勢をそのままに、低い体勢にある其の体を横薙ぎにと布が奔って]