― 道具屋 ― なんだっけか。[元はといえば通りに居たはずだ。ゆっくりと記憶の糸を手繰り繋ぎ合わせる。] ミケルと一緒に居たんだよな。 ミケルはどうした? それ以前になんで僕だけ戻ってきたのかね。[直前の記憶だけでは理由が知れない。更に前のものを思い出してゆくうち周期の訪れや親しい者たちの命が消えた事を把握する。道具屋のかんばせには感情の色が掻き消えていた。] ――…夢、ってオチならいいんだけどなぁ。[呟く音に深い溜息が重なり、溶けた。]