そういうことです。まあ、散歩に出てから思い出したんで、手ぶらですけどね。[言いながら、ひらひらと手を振ってみせる。苦笑を滲ませるエーリッヒには、「ついでみたいなもんだから」と軽く答えた]それでなくても、いい加減顔見せないと、うちのも怒りそうですし。怒ったって聞こえやしないから、構わないけど。[後に続いた言葉は、自身の身内を指して。顔すら覚えていないのだから、悲しいという気持ちも薄い。姉には死者を悼みなさいと、よく窘められたものだった]