[生潰えた後、僕の意識は未だ闇の中にあった。
闇は意識のみならず、僕の左半身を侵す。
また、その闇は僕の左目から迸っていた]
[左目は、顔の左半分は僕の闇そのものだった。
醜く爛れた火傷の痕。
その見目から気味悪がられてきた人生。
人の目が恐ろしくて、醜いものを必死に隠した。
隠すことで、人を妬む醜い心を必死に隠した。
人の目が気にならなくなったことで、やっと普通の生活が出来るようになった。
けれどそこにはいつ暴露されるかの恐怖がついて回る。
僕は笑みを浮かべながらも、他人をあまり信用しなくなっていた]