─生徒会室─
[どたばたとした手当てが一段落した所で、はあ、と息を吐く。
腕への自傷。
精神的に脆い部分のあった母は、不安に駆られると、時にそれに走るひとで。
だから、すぐに手当てできるように、と応急処置の知識を詰め込んだ。
ここ数年は、だいぶ落ち着いていたから、実践する事はなくなっていた、けれど]
……覚えとるもんだなぁ……。
まあ、忘れたら勿体無い、とも言うけど。
[零れ落ちたのは、ぼやくよな呟き。
それから、ふと、窓の外に視線を移ろわす。
灰色に覆われていた空は、いつの間にか、満天の星空になっていた]