―厨房→二階―
[>>351ひとりでないと、その温もりで教えてくれた姉のような人からの提案は、それはそれで魅力的で半ば傾きかけていたけれど。
片手で口元を押さえて咳を払うように一つ。続けては出なくて良かった。けれど一人の方が良い理由をもう一つ思い出してしまった]
うん。一人でゆっくり寝台を独占して眠る機会も貴重じゃないか。
どうしても寒かったら、ナータの部屋に毛布もってくから。
隣なら壁を叩いても分かるだろうし。
[気遣いに甘えて、少し幼げな顔で笑った。
それから広間に戻り、二つの鞄を持って階段近くの部屋の隣を確保した。他の人がしているのを真似て、使用中の札も掛けた]
…コホッ。
[温められていた広間と違い、ひんやりした空気が残っていた。
何度か続けて咳をした後、鞄を開いて中身を確認する]