─過去の一幕・公園─[それは、とある企業主催の演奏会を終えた後の事。仕事の後は公園でぼんやりのんびりと時を過ごすのは、奏者となってから定例となっていた]……あー。今日も、いい天気ですねぇ。[空を見上げ、目を細めながらのんびりと呟く。周囲で遊ぶ子供たちの声。鳥の囀り、犬や猫の鳴き声。行き過ぎる人々のお喋り。そんな、幾つも音の中、絶え間なく響く水の音。その源である噴水の縁に腰掛け、片手を水につけると。指で水を弾き、それによって旋律を紡ぎ出した]