― 翌日/黒珊瑚亭 ―[目を覚ましても眠いだけで、何か起こったような手ごたえは子供には感じられなかった。その日は珍しく早起きしてしまい、早くに黒珊瑚亭へ向かってそして子供は、まだ全然終わって居ない事を知る。肉屋の匂いと宿主の深い嘆きの声。声のする方へと向かって行くと、ユーディットが亡くなった事を確認すると、その足で勝手に厨房に向かって、包丁を一本握り締めてから教会への道を戻って走った。]