……見たいって、言ってたのに。[手に持っていた、試作のランタンの入った包みを胸元に抱いて目を伏せる。それは、涙が勝手に零れるのを堪えるためで。そこに兄から声をかけられ、ようやく兄がいることに気付いた。]にい、さん。[赤く潤んだ瞳はかろうじて泣いてはいなかったが、動揺した心はいつも通りではなく無意識のうちに特別な呼び方になって。出かけられそうかと聞かれれば、頷きかけてゼルの薬をまだもらっていないことに気付き。ゼルの方をみて、声をかけて良いかどうか戸惑いの視線を*向けた。*]