[大事に鞠を抱く姿を、琥珀は静かに見つめやる。小さく呟く童の心には、何か思うものがあるのだろうと。][さあと涼しい風が吹き、さやさやと木の葉が鳴る。鈴が鳴るにも似た虫の声も聞こえたろうか。][やがて、風漣が戻ると言ったなら、連れ立って館へと戻ろうか。もし森を抜ける途中で仔うさぎに呼ばれたならば、緑に目立つ臙脂を見つけ、*眠る子背負うやもしれぬ*]