[窓枠へと手を掛ける。割れたガラスが掌を傷つけるが一瞬眉を顰めた後男はその手を支えに窓をひょいと乗り越えて中に入る。軽く握った右手からはぽたりぽたりと赤が零れ落ちた]衝動は赤い月の間、か。[ロランとの距離を詰め]――…勝てるのかな、じゃない。[怪我した方とは反対の手を俯くロランの頬へと伸ばした]勝つんだよ、ロラン。キミの意志で。