ちぃっ、見事に俺の対極を行きやがって!
[軽装の相手に対し、こちらは竜の属性も加味され重装に分類される。相手の声に舌打ちを、けれど楽しげな表情で呟いた]
っしゃあ!
ってぇ、やっべ!!
[一撃与えたことに喜んだのも束の間。背後から迫る雷竜に焦りの色を見せる。速度に関しては向こうが上。直線では逃げ切れないと思い、手綱を右に引いての方向転換を試みた]
ぐっ……!
[それでも間に合わず。狙われた左肩よりも腕側、チェインアーマーの護りが途切れている腕の付け根の部分に剣の切っ先が掛かった。赤く線が走り、いくつかの滴が散る]
っつぅ……くっそ、やっぱ速さじゃ敵わねぇな。
[体勢を整えようと手綱を引こうとして、ズキリとした痛みにほんの少し、動きが止まった。大きく深呼吸すると、上昇するアーベルを見据え、それを追うべく地竜へ上昇の指示を出す]