[後半の言葉には答えず、水竜王は静かに口を開いた]
『……それではない。
お前の奥底に眠っている、本当の願いだ。
ナターリエ。
お前―――「揺らされて」いただろう?』
……。
[ナターリエが、おどけた顔を仕舞って、細い視線で、水竜王を見つめる]
……いつから気づいていましたの?
[それは恐らく、騒ぎが起こっている最中も、そして、終わった後も、誰も気づいていないものだった]
『……お前は「力ある剣」に関して、敏感すぎた。
最後まで残ったものの中で、唯一、剣に触らず、そして、興味が無さすぎた。
それは……明らかに不自然だったからな』