[……ナターリエの本当の願い。
それは。
『力ある剣』の消失。
竜王達の意思の剥奪。
という、とんでもない二つだった。
それが成されれば、一体世界はどうなることやら―――?
いや。それ以前に、それが成されれば水竜王は、水竜王としての存在を失うということだ。
なのに、何故?]
『……我々の属性は「変化」だ。
だが、本当に世界を崩壊させるような力など存在しないほうがいい。
悠久のときを「変化」し続ければいい。
ただ―――それだけだ』
[答え、また水竜王は口を閉じた。
それは、まさしくナターリエが望んでいるものそのもので。
やっと。
ナターリエは、水竜王が自分を随行者として選んだ訳を知った]