― 一階/エントランス ―[知らないけれど知っている場所。そんな感覚を抱きながら階段を離れた。出口も知らないはずなのに足は自然と玄関を目指す]りっぱなとびら。[エントランスについてまず見えたのは外に繋がるパーツ。サーシャとジラントの姿も其処に在るのに少女の視覚情報は正しく伝達されない。見てはいけないと心の均衡を保つために無意識が働く。見ないふりをしていたのに音が其れを妨げた。ぴしゃり。 ぐしゃり。生々しい音>>4>>5は何処かで聞いた覚えのある音に近く――]