[オレの死と同時に何かが割れる音がした。
それを聞いたのはオレだけだったかもしれないし、誰か他にも聞いた人が居たかも知れない。
ああ、『場』が壊れたんだ。
漠然と、オレはそう考えた]
[『場』が出来た時点でオレは生きるのを諦めた。
もしかしたら早々に見つかって殺されるかもしれないなんてことも考えていた。
それなのに、オレは隠れ続けて人を喰らい続け。
最終的にはたいせつなひとを喰らった。
人を喰らう衝動には抗えなくて、抗わなくて。
アイツが蒼花と知って、抱いた感情は歓喜だった。
オレはあの時既に獣の思考から完全に抜け出せなくなっていた]