[アイツが大事だったから、誰にも渡したく無くて。自ら喰らうと言う方法でそれを為し得ようとして。でも心の底ではそれが許せなくて。結果、異常な執着を持ち、心を喪くした状態になった。生きて『場』から解放されても、きっと壊れたままだったと思う。けれどそんな未来にはなること無く、オレは獣として命を絶たれた。その時は気付かなかったけど、もしかしたらオレは死ぬことを望んでいたのかもしれない。たいせつなひとを喰らってしまったその世界に、希望なんてものは何一つ残っていなかったから───]