[ゆるり、息を吐く。何を思ったか、目蓋まで伏せて]…虚無は即ち、消滅だ。在るべき場所へ在れば、まだ先が在ると云うのに。[開く藍色。映す視界に銃はふたつ][一本ずつの闇を携えた両手を胸の前で交差させ、次いで大きく開き、反らす程][反らす力の反動が如く、勢いを持って突き出す両腕。先に行われた動きに因り、大きな波を持った長い闇の布]知らないということは、不幸だな。