>>358
−美馬運動公園−
[とりあえず人があまり来ない武道場の裏まで到着すれば姿勢を保持しきれずコンクリートの上に転がる。
失血を抑えるために脇腹の傷を押えたところで、背にも傷があるのだからあまり意味はないように思えた。
少しくらりとして、自分の真っ赤に染まった手を見た記憶まではあるのだけれど。
声をかけられて、瞼が重たく開く。
どうやら、自分は少し意識を飛ばしていたらしい]
…勝手、に……殺すな…。
[ぼそ、と小さくつぶやいてはきだした息は、自分が思っていたよりも大儀そうで、しゃがみ込んだ姿を少しだけ睨むように見上げる]