……じっちゃん、ばっちゃん、俺、クレムんとこ行ってくるっ!
[そう、告げるが早いか、走り出そうとしたら、ぐい、と首根っこを引っ掴まれた。
ぐぇ、と声を上げつつ足を止め、息が詰まるのを未然に防いで]
何すんだよ、じっちゃんっ……!
て、ばっちゃん、なにこれ。
[振り返って文句を言ったら、祖母がバスケットを一つ、差し出してきた。
きょとん、としながら問いかければ、お見舞いだから持っていきなさい、と笑顔で言われて。
何となく拍子抜けしつつも、バスケットを受け取り、駆けだす。
黒と白の羽の相棒が、慌てたように後をついてきた]