見かけによらず苦労人、ってか。
[あくまで軽口を叩く。
紙の追撃に備え構えられていた黒の銃口は、しかし新たに迫る炎には向けられずに、男自らの足元に]
――vier.
[放たれた青い光は丸い氷の塊と化し、地面に落ちる。
向かってくる炎の球よりは少しばかり小さなそれを、ぶつけるように蹴り飛ばした]
――ち。
あぁ、なるほどねぇ。
つまり、ソイツをどうにかすべき……ってことかい。
[相殺しきれなかった炎の余波は如何程か、それを浴びても僅かに顔を顰めるのみ。
すぐに表情は笑みに変わり、両手の銃をくるりと回し、構え直す]