[十字架を握り締めた侭クレメンスとライヒアルトを交互に見詰めるが掛けるべき言葉を見つけられず、視線は彷徨う。彷徨う眼にヴィリーの愉しげな色が見えてことりと首を傾いだ]……ん。[何かおかしいだろうか。十字架を握っていた手は頬へと宛がわれる。いつもは触れるはずのヴェールはなく自らの髪が指先に触れた。そういえば今日はゲルダに貰った銀細工の髪飾りをしていて。もしかすると奇妙にみえたりするんだろうか、と小首を傾げるライヒアルト>>370に不安げな貌を向ける]