よし。
[手に返った感触はそれなりのダメージを予測させるもの。身を捻られたことで打点はずれて、会心の一撃にはならなかったが]
おっと!
[しっかりと入った分、引き戻す動きは遅れた。
剣で払われた槍は大きく外に撥ねられ、力を入れる動作のために竜の制動は更に遅れた]
逃がさないでっ!
[右手を竜の首に添え、距離を取ろうとする少女を追いかける。距離は時に縮まり時に離され、一定の間合いから詰められない]
…仕方ない。
ヴィーデ、緩めて。チャージを。
[速度を落させ、風のブレスも使えるように力を貯めさせる。
ゆるく羽搏く薄翠竜の上、距離の開いた少女と竜をじっと見つめた]